本日は速いスマッシュを打つためのお話をさせていただきます。
この質問はバドミントンで一番多い質問だと思います。
「速いスマッシュ」=「速いスイングスピード」=「筋トレ」
このような考えをお持ちの方がいらっしゃるのではないかと思います。
断言させていただきます!全く、全く120%違います。
全国の多くの指導者を的に回すことになっても断言します。違います!
特に「腕立て伏せ」「ダンベル」「ベンチプレス」等を使ってスマッシュが速くなると思われてる方もいらっしゃると思いますが、そのような筋力とスイングの筋力、スイングスピードとは別なものになりますので、逆にスマッシュの速度が下がる可能性があると私は考えております。
では、どのように速いスマッシュを打つのか?必要な筋肉をつけていくのか?
まず筋力よりも正しいスイングを身につけましょう。
正しいスイングというと周りから見て「綺麗なフォーム」という印象を受けますが、これも違います。
良い例はジュニア選手の打ち方です。
体の割合から見て、「なんであんなにシャトルが飛ぶんだろう?」と大人は皆感じたことがあるはずです。
ジュニア選手にとってバドミントンラケットは長く重たいので、自分の力だけではなくラケットの先の重さを素直に活用しているからです。
これと同じようにラケットのヘッドの重さを感じながら打つことが「正しい打ち方」「正しいラケットの使い方」=「正しいスイング」になると私は考えております。
シャトルはたったの5g前後です。この軽いシャトルを飛ばすためには、大きな腕の振りではなく、コンパクトにラケットの先が動くことが大切です。
まずは意識を腕や肩ではなく、ラケットの先(フレーム)がきちんとシャトルを弾いているかを感じ取りながらクリアやスマッシュを打ってみましょう。
正しい面の向きを見つけましょう
①を意識しながら、面の向きを確認してください。
どんなにスイングが速くても、スイング方向があっていなければ、スマッシュ速度が半減します。
これを故意に打つのがカットスマッシュになりますが、無意識に面の向きがずれてカットがかかってしまうと、ネットミスやサイドミスさらにはフレームショットまで起きる可能性があります。
時々、上級者でフレームショットをしても相手コートにきっちりと打ち返す選手を見かけることがあると思いますが、これはきちんと面がスイング方向に合っているためであって、偶然やまぐれではないのです。
面の向きがスイング方向に対して合っている事で全ての力がシャトルに加わり、簡単に速度を上げることができます。
では、どうすれば正しい向きがわかるのか?
打球時の音に集中してください。面の向きがずれている時はやはり面を切っている(カット)の音が聞こえるはずです。
「シュッ」とか「ザッ」というような打球音です。
これに対して、短く「パン」「ポン」といった綺麗な音が聞こえる面の向きを見つけることが一番重要です。
トレカバーを使用して素振りをすると、面の向きを意識して練習ができます。
③正しいスイング、正しい面で打球をしましょう
①と②ができてきたら、あとは実践と実戦です。
何日もかけて、何百回、何千回と打球することが一番の筋トレです。
スイングの回数を重ねることで、スイングに必要な筋力がつくだけでなく、力を入れるポイントや抜くポイントも身につきます。
同時に、普通の筋トレでは身につけることができない打点やタイミングも全て同時に身につけることができます。
当たり前のことですが、打球を重ねることで打球に必要な全ての筋肉が身につくのです。
また何球も打っていると腕も疲れてきて速度も下がります。試合ではその状態でも絶対に相手コートに打たなければいけません。
これも打球練習で体験でき、打球練習を重ねることで鍛えられるのです。
最後にものすごく大事な話をします。
スマッシュの速度が上がらないから、トレーニングをする。
フットワークが遅いからダッシュする。
体力がないからランニングする。
結果は筋力がついてダッシュが速くなって、持久走が速くなる。
これだけのことです。
バドミントンの上達には直接結びつくことではありません。
バドミントンの上達を目指すのであれば、コートの中でラケットとシャトルを使わなければいけません。
もちろん、学校の部活であれば他競技との兼ね合いで体育館が使えない日があると思います。
それでもすぐにトレーニングやランニングではなく、許可を得て廊下にネットを張ってドライブの練習やショートサーブの練習をした方がバドミントンの上達につながります。
外であっても、ただ走るのではなく、コート内と同じ距離でフットワークをした方が良いです。(ラケットは持っている方が良いです。ラケットを壊さないようにスイングは無しでも、上からのスイングだけでもいいです)
ランニングと同じ速度と時間でフットワークをすれば、バドミントンに必要なフットワークと持久力が身につきます。
誰もが知らないうちに「試合のための練習」ではなく「練習のための練習」になっているのがバドミントン部に多くみられる練習方法です。
まずは筋トレではなく、打球!最悪でも素振り!これを継続して行ってみてください。
必ず短期間で自身の上達を感じることができます!!