初心者はガットを強くはった方が良いのか?
小学生からジュニアチームで始める選手は、指導者の方が勧めるテンション(ガットの強さ=ポンド数)で良いと思いますが、中学生・高校生・大学生・社会人から始める方で、週に1~3回の練習をされる方はあまり硬く張ることをお勧めしません。
バドミントンラケットはカーボン素材を採用してから著しい軽量化が進みました。
ガットも機械で張るようになってから、20ポンド以上で張ることが流行っておりますが、硬く張ることで初心者にとってはメリットよりもデメリットが多い事はなんとなくわかっていても明確な理由を教えてくれる人があまりいないのが現状です。
そこで、簡単に説明します。
ガットを強くはるデメリット
①硬く張るとスウィートスポット(野球のバットなどでは芯と言われる部分で、当たった時に一番反発の高い範囲)が小さくなるため、いい当たりが出ないと無理な力を使って飛ばそうとするため、手首・肘・肩を痛める可能性が高くなります。
ちなみに、ガットが硬い事によって衝撃が強くなって怪我をするという話を耳にしますが、そのような事はありません。
②硬く張るとスウィートスポットに当たった場合のシャトルの反発は上がりますが、高さと左右のコントロールが難しくなります。
スウィートスポットを外れた場合に、反発力の高さから思ったところに飛ばすことが難しくなり、ミスショットにつながりやすくなります。
③硬く張ると、ガットが切れた場合やシャトル以外の床やパートナーのラケットと接触した場合の破損率が格段に上がります。
簡単に説明してもこれだけのデメリットがあります。
特にお父さんお母さんにラケットを買っていただいてる選手はラケットを長く大切に使うためにも、女子は15~17ポンド。
男子は16~18ポンドくらいで始めることをお勧めします。
ポンド数:お勧めのガットのテンション(強さ)
ガットのテンションの目安(ポンド数)
ジュニアで始めるお子様 | 16~17ポンド |
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女性で初めての方 | 17~18ポンド |
男子中学生(女子全般) | 18~19ポンド |
男子高校生 | 19~20ポンド |
男性の社会人 | 20~21ポンド |
中・上級者 | 22ポンド~ |
初心者がバドミントンの基本的なショットを学ぶ段階では、ガットのテンションが低いほうが、ショットのメカニクスや技術を正しく習得しやすいことがあります。柔らかい感触のガットは、ショットの理解やスイングの修正を容易にし、プレーヤーの成長を促進します。
テンションの高いガットの場合、反発力の高さからシャトルのスピードUPに期待ができますが、ラケットのスウィートスポットでしっかりと打球を捕らえる技術がないと、デメリットの方が大きくなります。
そのためプレイヤーのスキルに応じて、最適なガットテンションを選ぶことが重要です。