ガットのテンションの考え方
バドミントンラケットのガット張りも「手張り」→「手動機械張り」→「電動機械張り」と時代と共に移り変わってきました。
これにより、「電動式」の20ポンドは「手動式」の機械よりも明らかに硬く張り上がるようになりました。(※ガットを張る強度はポンドという単位で表します)
また、ラケットの軽量化とラリーポイント制の導入によって、より速いラリーが求められ、速いシャトルへのタッチは不可欠となった分、ガットのテンションも高く張る事が流行となり、現在に至っています。
実際に、世界のトッププレーヤーも規定ポンド数をはるかに上回るテンションで張り上げていることから、初心者も一様にマネをしてガットを強く張ってしまっています。
ガットを強く張ることによる4つの弊害
弊害1:コントロールが悪くなります!
少し考えれば分かりますが、ガットを強く張れば張るほど、ボールを硬い壁にぶつけているのと同じになります。
つまり飛んできたシャトルは、硬いガットに当たった瞬間と全く同じ軌道で跳ね返っていくため、非常にコントロールしにくくなってしまいます。
弊害2:スイートスポットが分かりにくい!
無駄にガットのテンションを高くすることで、打球時にラケットのどこに当たっているのか分からないまま打ち続けてしまいます。
スイートスポット(ガットの中心で一番シャトルが思った通りにコントロールできる打球点)をいつまでたっても身体で覚えることができず、上達を遅らせてしまいます。
ご自分の上達とともにテンションを徐々に上げていけば、確実にシャトルをラケットのスイートスポットでとらえることができます。
弊害3:肘や肩への負担が大きくなります!
世界のトッププレーヤーは、ヒジや肩の筋肉が発達し、柔軟性があるためガットのテンションに身体が対応できます。
もちろんコントロールも十分可能な技術をもっています。
しかし、バドミントン初心者・初級者は、自分に合わない程強く張られたガットでシャトルを跳ね返したとき、無理なスイングをすることで肘や肩などを怪我する危険性が高まります。
弊害4:ラケットの破損
ダブルスのパートナーのラケットとの不慮の接触や、床との接触の際に、ガットのテンションが高すぎるとラケットを破損する確率が高まってしまいます。
ポンド数:お勧めのガットのテンション(強さ)
ガットのテンションの目安(ポンド数)
ジュニアで始めるお子様 | 16~17ポンド |
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女性で初めての方 | 17~18ポンド |
男子中学生(女子全般) | 18~19ポンド |
男子高校生 | 19~20ポンド |
男性の社会人 | 20~21ポンド |
中・上級者 | 22ポンド~ |
「ある程度硬く張らないと上達しないヨ!」は間違い
みなさんの周りではもっと硬く張る人もいると思います。
また、「ある程度硬く張らないと上達しないヨ!」とアドバイスする方もいると思いますが、現在のバドミントンラケット、特に薫風のよく”しなる”ラケットを最大限に活かし、怪我なく上達するには、上記のテンションで十分です。