時代と共に進むバドラケ軽量化の流れ
バドミントンラケットの重さはUという単位を使い、U→2U→3U→4U→5U→6Uと順に軽くなっていきます。
わたくし店長の美濃がバドミントンを始めた高校1年(平成元年)はラケットの重量で言いますと、U・2U・3Uの3種類の重さが販売されていました。
一般に、オールカーボンのラケットは2Uと3U、そして一番重いUは、アルミフレーム+カーボンシャフトという感じでした。
その後時代と共に、重さU(アルミフレーム+カーボンシャフト)のラケットが消え、2Uと3Uのラケットが主流となり、平成10年以降に4Uのラケットが出始めました。
さらにこの10年間で5U、6Uと軽量化が進む中で薫風ブランドが誕生し、現在では業界最軽量(2013年7月現在)の6Uラケットを販売するに至っています。
重いラケットがいいよ!と言われ続けた学生時代
私はバドミントンを始めた当初、最初に2Uのラケットを買いました。先輩には、
「うまくなりたかったらもっと重いラケットの方がいいぞ」
と言われ、2本目はUのラケットを購入しました。
高校を卒業して3Uのラケットを使い始めた時にはまた別の方から
「力があるんだからもっと重いラケットの方が重い球が打てるよ」
「海外のトップ選手も重いのを使ってるから重いほうがいい」
と、これまた重いラケットをすすめられ、言われるままに2Uのラケットに戻したのです。
当時は重いラケットに変えても上達した気はしませんでしたが、あまりにも周りの人が重いラケットをすすめてくるので疑問を感じずに使っていました。
バドミントンショップで働いて初めて知った「重さの真相」
社会人になり、腕が上達するのと同時にショップで務めた経緯もあり、メーカーの方やトップ選手からバドミントンラケットの重量に関わる話を聞いたのが以下の内容です。
単純に世界大会で優勝している選手が重たいラケットを使用している人が多かった、だから日本選手がそれをマネしているだけ。
この事実を知ってびっくりしましたが、なぜ有名選手が重たいラケットを使っていたのか?
それは、当時のバドミントン情勢を考えると理由が見えてきます。
ラケットは「お下がり」「壊れにくい」が主流
現在のバドミントンの世界大会は中国がほぼ独占状態にありますが、20年前から10年前の間はインドネシア・マレーシアの世界チャンピオンが非常に多かったのです。
彼らは当時、非常に貧しかったため、ラケットはとてつもない高級品だったのです。
当然、トップ選手からのお下がりや自身のラケットも折れないように使うためにカーボン量の少ないラケットよりも多くて頑丈なラケットを使用し、大会で勝ち上がっていったのです。
つまり、
お下がり → 古いタイプの重いラケット
壊れにくい → カーボン量が少ない重いラケット
ということですね。
それを見ている日本人選手は帰国後に仲間や後輩などに話すことで、噂が広まり常に最新の最軽量のラケットよりも1つ重たいものを使うことが当たり前のようになっていったのです。
また日本人の性格上、
「より軽いものを使用する=楽をしている=上達しない」
「重たいものを使用する=苦労して努力している=強くなれる」
このような潜在意識があるのも確かであると思います。
過去の噂と日本人特有のスポーツに対する取り組み方がこのラケット重量の考え方に大きく影響しているのではないでしょうか。